- 田内 志文
- 2011-02-10 (木)
- 小説
金曜日は行かなかったのだけど、月曜日に、またあたしはプリンセスに行った。その日のタマラはなんだかすごく思い詰めてて、ぱっと見てイライラしてた。お店にはまた誰もいなくて、あたしは「ダレルでも来ないかなあ」と思ってたんだけど、来ないうちにタマラがお店を閉め始めた。
「悪いけど、今日も送ってちょうだい」彼女がいつもより早口で言った。あたしは、また送ってあげることにした。
フラットの前で、また誘われたけど、また断った。
帰り道、あたしはなんだかダレルに会いたくなった。そのまま引き返して、ダレルのフラットに行ってみようかとも思ったのだけど、途中でタマラのフラットの前を通るのになんだか気が引けて、結局まっすぐ帰った。
月曜日、あたしはまたプリンセスに行ってみた。でも、ダレルはまたいなかった。タマラはまた一人で、また、あたしに送ってくれとせがんだ。あたしは、彼女に「自転車貸してあげる。ずっと使ってていいから」と言って、無理矢理お店を出て、アングリア・スクエアの前からバスに乗って帰った。そして、それからプリンセスには行かないようにした。
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